夜に雨が降り、若干宇都宮線車内は湿度が高い。
いつもの電車のいつもの車両にのり、いつもの足のきれいな女性のトイメンの席が空いたのでソコに座った。
彼女は今日はベージュのスプリングコート。栗色の髪とよく合っている。
蓮田ぐらいから車内は混み始め、トイメンの席は見えなくなった。
僕の前のつり革には紫のパーカーを着た痩せた目の細い浪人生が掴まった。
まあ浪人生っつーのは僕の勝手な想像だが。
彼は一生懸命『正攻の英熟語1000』というボロボロの本を読んでいたのだが、数分後には本を開いて立ったまま寝てしまい、大宮駅で焦って降りていった。
4月からそんな飛ばしていると一年間持たないぞ。
…浪人したことはないが、心の中でそうアドバイスしておいた。
明日は長男のサッカーの試合だ。
グラウンドコンディションが少し心配だな。
