宇都宮線上りの始発は意外に混んでいる。
まだ曇っているものの、昨夜のドイツレストランで友人とがぶ飲みしたピルスナービールが汗として吹き出すぐらいには、今日は暑い。
朝の4時台のNHKでは、ようやく夏らしい天気が首都圏にやって来る…なんてことを言っていた。
そんな日にボクは、東京脱出で京都の山奥、茅葺きの里で有名な美山町へと向かうのだ。
京都駅からローカル線とバスを何本も乗り継いで三時間。自宅を出たのが5時頃で、美山に到着予定は昼の一時頃だ。
京都からちゃんと行けるかどうかが心配だ。
かつて、子供の頃のボクが預けられていた場所だ。
あの日本昔話のような田舎は、まだあのままなのかな?
まもなく上野に到着だ。