雪の記憶も薄らいできたのに、また空は重く、雪が再び落ちてきてもおかしくない天気だ。
今日は座らずにドア付近に立ってみる。
住宅の北側の屋根にはまだ雪が残り、瓦屋根からはまるで蛇のように雪がたれさがっている。
近くの座席のカップルはiPodのイアホンを片っぽづつ分けあって耳につけている。
あれで音楽はちゃんと聴けるのか?とも思うのだが、右と左でバラバラなツインギターサウンドが収録されていた初期のローリングストーンズやストリートスライダーズを聴いてる訳じゃないだろうからいいのか。
でもスネークマンショーでも困るよな。
…まあ余計な心配だ。
で、そのカップル。
特に会話はないのだが、手はギュッと握られている。
なんだかこの二人掛けの席だけ通勤電車じゃないみたいだ。
「昨夕は激しかったんじゃないの〜?」
なんてチャチャをいれる無粋なオッサンでもいれば、ちょっと楽しいのだが、